ガーダントヘルスジャパン株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長:浅野 元、以下「ガーダントヘルスジャパン」)は、固形がん患者さんを対象とした包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)用リキッドバイオプシー(液体生検)検査『Guardant360® CDx がん遺伝子パネル』(以下「Guardant360® CDx」)について、「RAS 野生型」、「BRAF V600E 変異」陽性ならびに「HER2遺伝子増幅」を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに対する医薬品のコンパニオン診断機器として、2022 年7 月11 日に厚生労働省に医療機器製造販売追加承認を申請いたしましたのでお知らせいたします。
結腸・直腸がんでは、EGFR 下流のRAS/RAF/MAPK 経路を恒常的に活性化するRAS やBRAFの遺伝子変異が発がんの原因となることが知られています。RAS(KRAS/NRAS)遺伝子変異は切除不能結腸・直腸がん患者の約50%に認められ、これらの変異を有する患者さんに対して抗EGFR 抗体薬(セツキシマブまたはパニツムマブ)の効果が期待できないことが報告されています。一方、BRAF V600E 変異陽性結腸・直腸がんは、進行結腸・直腸がんのなかでも比較的希少な疾患で、予後の極めて不良な病型の一つとされています。※がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに対する効能・効果として、小野薬品工業株式会社のBRAF 阻害薬 エンコラフェニブおよびMEK 阻害薬 ビニメチニブと抗EGFR 抗体薬のセツキシマブとの3 剤併用療法およびエンコラフェニブとセツキシマブの2 剤併用療法が2020 年11 月27 日に薬事承認されています。
HER2遺伝子増幅は、結腸・直腸がんを含む、さまざまながんの発がんドライバー遺伝子異常として特定されています。HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに対するペルツズマブおよびトラスツズマブ投与の臨床開発として、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院による医師主導治験において、化学療法歴のあるHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者さんを対象とした国内第Ⅱ相試験(TRIUMPH試験)が実施されました。TRIUMPH試験を主要な臨床試験成績として、中外製薬株式会社のペルツズマブおよびトラスツズマブの併用療法が、2022年3月28日に承認されました。同TRIUMPH試験においては、組織検体を用いた免疫染色やFISH(fluoroscense in situ hybridization)に加えて「Guardant360® CDx」によるリキッドバイオプシー検査の解析結果を用いてHER2遺伝子増幅陽性の患者さんを組み入れており、本品によるHER2遺伝子増幅陽性患者群に対するペルツズマブおよびトラスツズマブ併用療法の有効性及び安全性も示されていました。これにより、「Guardant360® CDx」によるコンパニオン診断は、血液検体を用いた遺伝子異常解析検査によって同併用療法の機会を提供できる可能性があることが示唆されました。
「Guardant360® CDx」は、がんゲノムプロファイリング検査用の医療機器として承認されています。
このたび申請する適応判定補助が追加承認された場合、「RAS野生型」、「BRAF V600E 変異」陽性ならびに「HER2遺伝子増幅」を有する結腸・直腸がん患者さんが、より迅速かつ適切な分子標的薬治療にアクセスできる可能性があります。
*大腸癌治療ガイドライン医師用(2022年版)
ガーダントヘルスジャパン株式会社について
ガーダントヘルスジャパン株式会社は、アジア、中東、アフリカにおいて事業展開する Guardant Health Asia, Middle East & Africa, Inc(Guardant AMEA)の日本子会社です。リキッドバイオプシー(液体生検)から、がんの遺伝子異常を検出する、独自の最先端技術、蓄積された膨大なデータ、高度な解析力により、がん克服に貢献することを目指しています。当社のがん治療プラットフォームは、技術、臨床開発、薬事規制、保険適用に関する知識を集結し、治療領域における普及、患者さんの臨床アウトカムの改善、医療費削減を推進するように設計されています。ガーダントヘルスジャパン株式会社の詳細はhttps://guardanthealthjapan.comをご覧ください。
Guardant360® CDxについて
「Guardant360® CDx」は、Guardant Health社の包括的なリキッドバイオプシー検査で、固形がん患者さんの治療方針の決定を支援するものです。血中循環腫瘍DNA(circulating tumor DNA: ctDNA)は、腫瘍が血中に放出する遺伝物質の小片で、デジタルシークエンシング技術により検出することができます。「Guardant360® CDx」は、2020年8月に米国食品医薬品局(FDA)から承認を受けた、 最初のすべての固形がんに対する包括的なリキッドバイオプシー(液体生検)検査です。
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ガーダントヘルスジャパン株式会社 広報
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